株式会社綜合デザインさまの導入事例

 ※オンラインによるインタビューを実施しました
 ※株式会社綜合デザイン管理部情報システム担当 大山様、伊是名様

逆境をチャンスに変える!IT人材不足でもスモールスタートから見据える未踏の地へ

株式会社綜合デザイン様は、主に複合商業施設の内装設計・施工管理を手掛ける企業。人手不足の問題や生産性向上が課題となる建設業において創立60年を迎えます。
そんな業界の中、2013年に入社した大山様は、社内システム担当として数々のデジタル化の企画・導入・推進から、組織の「働き方改革」、そして企業のDXを実現されました。現在、伊是名様と二人三脚、更なる高い目標を掲げられ、社員や社外パートナーが生産性高く且つより安心して業務ができる環境の構築にまい進されています。今回は、そんなお二人に、Box導入の背景や導入時の苦労話、そして今後の展望についてお話を伺いました。

メールによる情報共有に限界を感じて

Boxを導入する一番のきっかけは何でしたか?

(大山様)
Boxを初めて導入したのは2016年で、最初は5IDから始めました。私が入社した2013年当時は、社内システムの運用は派遣社員の方が総務と兼任で担当されていました。その一方で基幹システム更改のプロジェクト推進を担当した時期に、業務の棚卸をする中で業務改善も検討したんです。そこで
気になったのがファイルサーバでした。

当社の業務は、建設現場に常駐する社員が多いのが特徴です。社内のファイルサーバの容量が2TB程度のため、関連する図面や写真等を保存していくとすぐに容量オーバーとなり、随時削除をする必要がありました。また外部からアクセスするにはVPN接続する必要があったのですが、セキュリティやBCP等を考慮すると簡単にアクセス環境を作ることもできない。結果的に、常駐していた社員はわざわざファイルサーバにアクセスするために戻ってきたり、社内の事務の方へファイルサーバの容量を確保するために保存したデータの削除を依頼したり、非効率な作業が多く発生していたことに気づきました。

また、現場の進捗状況を社内や社外のパートナーの方とやり取りする機会も多いです。当時はメールを利用して、容量の大きな写真データなどもやり取りしていたので、メールサーバの容量もすぐにいっぱいになってしまいました。
Boxを最初に知ったのは、ベンダーの方から紹介された時です。調べてみるとガートナー社の評価が良く、ブログでBoxのことを発信している方もいらっしゃいました。Boxにより、
ファイルサーバの容量を気にすることもなくなり、物理的な制約による非効率な業務が解消されました。

具体的にどのように活用されているのでしょうか?

(大山様)
そうですね。建設現場では、社内への進捗報告や協力会社の方への作業指示や共有のため、図面や写真に内容を記入するケースがありました。Boxはクラウド環境でデータを保持し、履歴管理も自動で残ること、さらにはアクセス制限が充実していて、社内・社外に応じてアクセス設定することでデータを共有できます。Boxを導入する前は建設現場の規模によってはHDDを持ち込み、HDDに保存したデータをメールで共有して、なんてこともしていましたがアクセス制限の柔軟性やセキュリティ・BCPの観点から見ても不安要素が多かったです。


テスト運用から全社導入、そして組織全体の働き方改革へ

Boxの全社導入はいつ頃ですか?

(大山様)
Boxを全社導入したのはその2年後の2018年です。
テスト運用により、建築現場の社員の業務負荷軽減やセキュリティリスク等の解消だけではなく、社内にいる事務の方も非効率な作業をする必要がなくなったことで生産性向上も大きく見込めました。

全社導入のきっかけはなんですか?

(大山様)
当時メジャーになってきた「
働き方改革」です。Boxの全社導入と合わせて、それ以外の情報システムも全体的に見直しをかけました。メールの容量無制限やビジネスチャットの導入も同時期です。ワークフローシステムも導入しました。当時は、土地柄、オリンピックへ向けた検討も話題になっていました。オリンピック期間中の人出を想定すると、オフィス通勤やオフィスと建築現場間の移動に相当の時間を要するのではとの懸念から、オフィスにこだわらずに働く環境を模索していました。実際に、いざリモートワークが必要になったときには、家でネット環境がない人はどうするか、デスクトップPCの人はどうするかなど細かなサポートに目が行き届き、早々に大規模なインフラが構築できたおかげで社員の困りごとに迅速に対処できたと思います。
現場作業

方針決定から導入まではスムーズでしたか? 

(大山様)
わりと一般的な話でもあるのですが、当時はまだまだ「クラウド」の市民権はなく、クラウドへのセキュリティ懸念や、そもそもどういったものなのかという認知が追い付いていない社会的な状況と社内の状況は似ていました。一人ひとりの理解度や気になる点、クラウドに対する捉え方も異なりますので、そこは時間をかけて懇切丁寧に説明をしていきました。
Boxを使わないことによるセキュリティの懸念はすでに課題としてありましたので、その点が解消されることは期待できました。また、
ファイルサーバをBoxへ移行したことで時間の制約もなく、建築現場終了後に社内に戻ってこなくてよくなったことなど、業務上での効果は大きな説得材料にもなったと思います。
(伊是名様)
私は入社して1年程度ですが、以前の勤め先はIT系でしたので、建築関係の企業というと社内の情報システムやデジタル化はそこまで進んでいないのではと半ば疑いもありましたが、そんなことは全くなく、他のIT企業と比較しても先進的に取り組みをされているなというのが第一印象でした。

業務の特性から、エンドポイントで考えるセキュリティ思想

今後は?

(大山様)
当社の特徴は、これまでお話している通り、
建築現場に常駐する社員を中心とする業務であることです。社員の多くを占めるのが現場の社員なので、現場からの柔軟かつ堅牢なセキュリティをもったアクセス環境を有することが必要です。また、効率的な業務運用にも言及していかなければなりません。

そして、これまでもこれからも、
世の中が進化すればするほどセキュリティに終わりはなく、未踏のゼロトラストを常に目指し、各種の対策を検討しているところです。
私自身、新しいより良いサービスが世の中に出てくれば、積極的に調査し導入検討をしていきたいと考えています。導入に際し、反発ができるだけ少なくスムーズに新しいシステムを受け入れてもらうために、この
Boxのようなスモールスタートで効果検証をしていくのはとても有効だなと感じます。

(伊是名様)
IT業界では割とスタンダードなBoxですが、業界が変わればまだまだ利活用されていない場面もあると思いますので、今後の活用を楽しみに業務に励んでいきたいですね。
商業施設や店舗など、さまざまな施工実績 ※ホームページより抜粋

インタビューを終えて

綜合デザイン様のデジタル化・DXの礎を築かれた大山様と、次なる目標を掲げより強固なシステム基盤を構築するために加わった伊是名様。世の中の情報システム人材の不足、IT人材の不足といった問題が取りざたされている中、真正面から取り組まれるお二人。ともに個性の違うお二人が一つの目標に向けまい進される姿勢に、柔らかくもとても心強いオーラを感じました。
そして、今回のインタビューが決まって企業ホームページを拝見したとき、とてもかっこいいHPのデザインに、60年続く企業の自信と強さが垣間見えた気がしました。そういった組織だからこそ、お二人のような方たちが集まってくるのだろうなと感じています。

ジェイエスキューブに今後期待すること

電子帳簿保存法に対応してフォルダの一括メタデータ付与や出力のためのレポートなど、Clickyシリーズを導入しました。今後も市場の変化や法改正等に対応した迅速な対応が求められてきますので、それらに対応する技術的なサポートをいただきたいです。

本日はお話いただき、誠にありがとうございました。

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