庫内物流・荷役業務の見えない課題とは!?
昨今の市場や顧客の多様なニーズによる好況を迎える物流・工場や倉庫業。
一方で、業務の特性から、働き方改革やDXといった文脈から議論されることは後回しとなっていた業界でもあります。ここにきて、物流業界の2024年問題やホワイト物流の推進による業界全体での機運の高まりから改革の動きが徐々に加速してきました。
生産性向上だけではない、働く人の労働安全衛生の向上が強く求められている分野でもあります。
では、なぜ今、庫内物流・荷役業務をの省力省人化が必要なのか、本ブログでご紹介していきます。
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庫内物流とは
まず庫内物流とは、一般的には物流業者が抱える商品を管理するための倉庫内にある物の流れのことを表します。
倉庫内にある物の流れは、入庫・出庫です。新しく庫内に加わる商品を入庫し、輸送する際には出庫します。合わせて一時的に庫内で保管している間は在庫管理をしているのです。
では「荷役」とは何でしょうか。ウィキペディアで検索すると、
荷役(にやく)とは、運輸業における作業のひとつ。「にえき」とも。トラック・貨車・船舶・航空機といった輸送機器への貨物の積み込みや荷下ろし、あるいは倉庫・ヤード等への入庫・出庫を総称した作業のことである。小さい荷物では人力による手作業で行う場合があるほか、大型の貨物ではフォークリフト・トップリフター・クレーン車などの機材を使用して行う場合もあり、業種や扱う貨物の種類によって様々である。
との解説がありました。
つまり、「荷役」業務の中に、「庫内物流」という入出庫作業の工程で発生する商品の移動や運搬です。ここで着目したいのは、「大型の貨物」では機械化される一方で、「小さい荷物」は依然として「人力による手作業」が習慣的に行われているということです。私たちは、この「人力による手作業」による商品の移動や運搬を省力し、省人化することが重要であると考えたわけです。
庫内物流に隠れた作業工程間の課題
まずは一般的な入出庫工程についておさらいしてみましょう。
入庫の場合
- 商品の荷卸
- 伝票との照合
- 検品
- 仕分け
出庫の場合
- 出庫する商品のピッキング
- 検品
- 梱包
- 出庫伝票との照合
合わせて在庫管理があります。
商品の移動や運搬は、これらの各工程で発生しているものの、「作業工程」として見える化されているわけではありません。
つまり問題点は、生産性向上や効率を上げるために、各作業へのツール導入・システム化・自動化は考慮されるものの、見える化されていない庫内物流は属人化せざるを得ず、それゆえに従事者にとっては体力的な負荷が大きいのも事実です。見える化されていないということは生産性評価の対象外にもなり得るため、心理的な負荷の影響も懸念されます。
課題点を列記すると、
- 「商品の移動や運搬」は作業工程として見える化(認識)する
- 属人化による人材活躍の制約を解消する
- さらには、人材定着のための安全な職場環境づくり
につながっていきます。
庫内物流の省力省人化
それでは、どのように課題を解決するか、具体的に見ていきましょう。
日本市場では少子化から人材不足不安がある中で、産業全体の特徴としては、重労働による身体的な負荷、付随する業務中の事故などの危険から離職が目立ち悪循環となっています。人材不足から、働く人の多様性を求めるものの、屈強な男性による属人的作業は女性や高齢者が代替することも活躍することも難しいのが現実です。
最新のテクノロジーを駆使し自動化を搭載した倉庫管理システムは非常に有用で会る一方、莫大な投資へ二の足を踏む企業も多くいらっしゃいます。またこれまで利用していたシステムがレガシー化し、担当者が辞めてしまった等を理由にスイッチできない企業もいらっしゃいます。
システムのレガシー化は中小企業ばかりではなく、大手企業にも見受けられ、業界が抱える大きな問題なのです。
現在の市場の急速な変化はVUCAと言われる通り、予測が非常に困難なため、資金力に自信のない企業にとって設備投資は一世一代の大勝負となってしまいます。
これらの、大きな設備投資や既存システムへの影響を最小化し、且つ現場の従事者の身体的負荷軽減をすすめるため、商品の移動や運搬に関わる省力省人化は、取り組みやすく効果が出やすい解決策と言えるのです。
事例① 業績好調、エリア拡大に伴う移動時間の省力省人化
アパレル関連の輸送業務を行う企業様への導入事例です。
課題は主に2つありました。
- 人による商品の移動時間を削減(省人化)
- 誰にでも、安全に使うことができる
エリア拡大に伴い、保管エリアへの移動距離が必然的に長くなったことで、移動に関わる人の作業時間をどうにか短縮したいとのことで、運搬ロボットの導入による搬送の自動化を実現しています。また職場には、高齢者や障害を持つスタッフの方が従事されており、これまでの属人的な作業ではなく誰でも扱いやすいことと、安全性をより担保させた状態で使える道具であることも導入の決め手となりました。カスタマイズのご要望として、移動の際に階をまたぐためエレベーターを利用しますが、エレベーター移動の無人化も対応しております。
事例①について詳しくはこちらをご覧ください
事例② 製品出荷の作業エリアの移動を無人化
製造業様の導入事例です。
運搬ロボットに、積載物に合わせた荷台を作り取り付け、また走行中のドライブレコーダーでの撮影やモーターのシーリング処理等作業環境に合わせた使い勝手の良さを実現するためのカスタマイズでお客様にお使いいただいております。
事例②について詳しくはこちらをご覧ください。
大変革を迎える産業、そしてその時流にのり改革に取り組む企業様を手助けするために着目した、庫内物流・荷役業務の省力省人化は、現場のBPRを50年間行ってきたからこその着眼点と、「かゆいところに手が届く」ニッチな製品・サービス開発を心掛けてきた私たちならではのソリューションなのです。生産性向上だけじゃない、誰でも働ける環境こそ多様性を生み現場の活性化につながります。そして安全・安心な職場づくりは人材定着へとつながっていきます。
これからも「人を生かす、現場を変える」製品を提供していきます。
具体的な製品情報は、こちらをご覧ください。
またお見積り、ご提案等のご要望がございましたらお気軽にこちらまでお問合せください。