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物流業界の仕事で女性活躍のために必要な4つの取組み

近年の物流業界では、高齢化や労働力の偏った男女比率によって人手不足が顕在化しています。なかでも運送業は女性の就業数が少なく、結婚や出産を機に離職してしまうケースも少なくありません。

そのようななか、2016年4月に施行された“女性の職業生活における活躍の推進に関する法律”によって、女性活躍の取組みを推進する企業も増えてきました。

現在人手不足に悩んでいる物流・倉庫などの現場では、人手の確保に向けて、女性の採用促進や定着化を図るための取組みが求められます。

しかし、「企業としてどのような取り組みが必要なのか分からない」「女性を採用するために社内で制度を整備したい」などとお悩みの現場管理者の方もいるのではないでしょうか。

この記事では、物流業界における男女比率をはじめ、女性活躍のために必要な取組みについて解説します。

物流業界の仕事で女性活躍のために必要な4つの取組み


目次[非表示]

  1. 1.物流業界の男女比率
  2. 2.物流業界の女性活躍を推進する取組み
    1. 2.1.①女性の意識改革
    2. 2.2.②能力開発
    3. 2.3.③職場環境の改善
    4. 2.4.④荷役作業の省力化
  3. 3.まとめ


物流業界の男女比率

物流業界では、男女比率に偏りが生じています。たとえば、運輸業で働く女性の割合は、2016年10月時点において2割以下です。なかでも女性のトラックドライバーについては、2%程度と圧倒的に少ない状況です。

総務省統計局が実施した『労働力調査(基本集計)2021年(令和3年)平均結果の要約』によると、運輸業・郵便業の就業者数は、男性が274万人でした。これに対して、女性の就業者数は76万人となっており、男女の就業者数に差があることが分かります。

このように男女の就業者数に差があるのは、物流業界が女性にとって働きにくいイメージを持たれていることが原因の一つと考えられます。

たとえば、以下のような内容が挙げられます。


▼いわゆる「3K」のイメージが強い

きつい
荷役作業が重労働、長時間で不規則な勤務形態
汚い
施設環境が汚い、トイレが男女共同
危険
交通事故が多いのではという不安


▼男性社会という印象が強い

  • 女性労働者がいるのかどうか分からない
  • 女性でも活躍できるのか不安


物流業界を女性が活躍できる職種にするためには、“働きにくい”“男性社会”というイメージを払拭して、女性にとって働きやすい環境を整えることが必要です。

出典:国土交通省『物流業界における女性活躍推進』『女性ドライバー等が運転しやすいトラックのあり方 取りまとめ』『若年層・女性ドライバー就労育成・定着化に関するガイドライン』/総務省統計局『労働力調査(基本集計)2021年(令和3年)平均結果の要約



物流業界の女性活躍を推進する取組み

物流業界で女性が活躍するためには、従業員の意識改革や、女性がライフイベントに合わせて快適に働ける環境を整備することが重要です。

ここでは、物流会社における具体的な取組みについて解説します。


①女性の意識改革

物流業界の働き方に対する意識改革を行うことによって、人材採用の新たな可能性が広がると期待できます。

女性の採用を促進するには、「物流業界は男性中心の社会」というイメージをなくす必要があります。そのためには、女性も活躍できる職域として、物流業界について知ってもらうことが重要です。また、女性社員を積極的に採用していることをアピールすることもポイントです。


▼意識改革のための取組み例

  • セミナー・フェスタでの広報活動
  • 学生向け物流業界インターンシップの導入
  • 女性が活躍できる多様なロールモデルの提示
  • 求人募集に女性の未経験者を積極的に採用している旨を記載


出典:国土交通省『物流業界における女性活躍推進』『女性ドライバー等が運転しやすいトラックのあり方 取りまとめ


②能力開発

女性社員の定着化に向けて、物流業界の基幹人材となってもらうための能力開発を積極的に行うことも重要です。

業務スキルやマネジメント力などの能力開発を行うことで、女性が携われる仕事の幅が増えるほか、仕事に対するモチベーションの向上にもつながります。


▼能力開発の取組み例

  • 女性活躍推進研修の実施
  • 外部研修や国家資格に関する情報の提供
  • 女性管理者育成のための研修の実施


出典:国土交通省『物流業界における女性活躍推進』/厚生労働省 女性の活躍推進・両立支援総合サイト『女性活躍推進研修の実施を通じ、女性従業員の考えを理解し、取組に活かす』『改善活動を通じて物流業界における女性活躍の場を提供する


③職場環境の改善

女性社員の採用促進や定着率の向上を図るには、物流業界のいわゆる3Kのイメージを払拭するために職場環境を見直す必要があります。

女性の就業者数が少ない要因の一つには、長時間労働や施設環境に対する不満が挙げられています。

働きやすい職場環境をつくるためには、業務改善や施設環境の見直しによって、快適性・ワークライフバランスの向上を図ることが求められます。

また、ライフステージが変わっても女性社員に継続就業してもらうため、両立支援や人事制度を拡充して、魅力ある職場をつくることも重要です。


▼職場環境改善に向けた取組み例

  • 女性専用トイレや女性用更衣室の設置
  • 育児・介護と仕事の両立支援制度の導入
  • 託児所の設置
  • 短時間勤務の導入
  • 女性社員の適切な評価・待遇の整備


出典:国土交通省『物流業界における女性活躍推進』『女性ドライバー等が運転しやすいトラックのあり方 取りまとめ


④荷役作業の省力化

物流業務における身体的な負担を軽減することも、女性活躍を促進するための重要な取組みの一つです。

物流・運送業務では、積込み・積降しといった荷役作業が発生するため、女性にとって体力的な負担があります。

体力・筋力の少ない女性でも対応できるように、荷姿の見直しや業務の自動化・機械化によって、省力化を図ることが重要です。


▼荷役作業を省力化する具体例

カートンの小型化
軽量化・コンパクト化によって負担を軽減する
無人搬送車(AGV)の導入
倉庫や工場での搬送作業を自動化する
パワーアシストスーツの導入
積込み・積降し時の身体への負荷を軽減する


なお、無人搬送車(AGV)の詳細は、こちらの記事で解説しています。ぜひご覧ください。

  無人搬送車とは? 種類や導入時のポイントを解説 物流業務の効率化や生産性向上に貢献する取組みとして、搬送作業を自動化・機械化する“無人搬送車”の導入が進んでいます。 工場や倉庫などの現場において、「無人搬送車を導入するにあたって仕組みを理解しておきたい」「現場でどのような使い方ができるのか知りたい」と考える担当者の方もいるのではないでしょうか。 この記事では、無人搬送車とは何か、また代表的な種類や導入時のポイントについて解説します。 DX Solutions


出典:国土交通省『物流業界における女性活躍推進』『女性ドライバー等が運転しやすいトラックのあり方 取りまとめ』『物流・配送会社のための物流DX導入事例集



まとめ

この記事では、物流業界における女性活躍について以下の内容を解説しました。


  • 物流業界の男女比率
  • 女性活躍推進に必要な取組み


物流業界における女性の割合は、男性就業者に比べて圧倒的に少ない状況です。女性の就業者が少ない理由として、3Kのイメージや、男性社会の印象が強いことが一因と考えられます。

女性の採用促進・定着化を図るためには、物流業界のイメージ改善に向けた意識改革をはじめ、能力開発や職場環境の改善、荷役作業の省力化を図ることが重要です。

女性にとって働きやすく、継続就業しやすい職場環境や就業制度を整備することで、業界への就職志望者の増加が期待できます。

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