積み付けの種類と荷崩れを防ぐ作業時のポイント

物流現場で荷物を運搬する際、パレットへの積み付けが発生します。荷崩れを防いで効率的に運搬するためには、荷物の形状に合った積み付け方法を採用することが重要です。

しかし、積み付け方法にはさまざまな種類があるほか、複数の荷物を一つのパレットに積み付けなければならないケースもあるため、「どのように積み付けの作業を行えばよいだろう」と対応に悩むこともあるのではないでしょうか。

そこでこの記事では、積み付けの基本的な種類と、荷崩れを防ぐ作業時のポイントについて解説します。

積み付けの種類と荷崩れを防ぐ作業時のポイント


目次[非表示]

  1. 1.積み付けの4つの種類
    1. 1.1.①ブロック積み
    2. 1.2.②ピンホール積み
    3. 1.3.③レンガ積み
    4. 1.4.④スプリット積み
  2. 2.荷崩れを防ぐ作業時のポイント
    1. 2.1.①重い荷物から積む
    2. 2.2.②ラップやバンドを活用する
  3. 3.まとめ


積み付けの4つの種類

積み付けの際、荷物の積み上げ方(パターン組み)は主に4つに分けられます。ここでは、それぞれの作業方法と特徴について解説します。


①ブロック積み

ブロック積みとは、荷物をすべての段で同じ方向に並べて積み上げる方法で、平積みと呼ばれることもあります。


▼ブロック積みのイメージ

ブロック積みのイメージ

画像引用元:厚生労働省『フォークリフト運転技能講習


同じ方向で荷物を積み上げる単純作業のため、多くの荷物をすばやく積むことができるのが特徴です。

ただし、前後左右の揺れによって荷崩れが起こりやすいといった注意点もあります。荷崩れを防ぐには、段ごとに荷物を90度回転させて方向を変える“交互列積み”が有効です。

ブロック積みは、荷物の箱の強度があって重量が軽いときや、近距離の輸送などで用いられています。

出典:厚生労働省『フォークリフト運転技能講習


②ピンホール積み

ピンホール積みは、長方形型の荷物において、縦横を風車の形のように組み合わせて積み上げる方法です。風車積みや風車形積み付け、ピンホイール積みと呼ばれることもあります。


▼ピンホール積みのイメージ

ピンホール積みのイメージ

画像引用元:厚生労働省『フォークリフト運転技能講習


ピンホール積みでは、荷物の向きを段ごとに反転させるため、横揺れ・振動に強いことが特徴です。ただし、中心に空洞ができることによって積載効率は下がってしまいます。

中心の空洞部分を2ヶ所にして積み上げる“ダブルピンホール積み”を用いると、通常のピンホール積みよりも積載効率が上がります。

パレットの中心に空洞ができることから、主に冷蔵や低温などの温度管理が必要な荷物の保管・輸送に用いられています。

出典:厚生労働省『フォークリフト運転技能講習


③レンガ積み

レンガ積みは、荷物の配列は同じまま、各段で180度向きを変えて積み上げる方法です。


▼レンガ積みのイメージ

レンガ積みのイメージ

画像引用元:厚生労働省『フォークリフト運転技能講習


レンガ積みでは、各段で荷物の向きを変えるため、荷重のバランスが取れて荷崩れしにくいことが特徴です。また、あらゆる角度から荷物が見えることによって、検品作業がしやすくなります。

ただし、正方形のパレットには積みにくくなるため、主に長方形のパレットやカゴ車の場合に用いられています。

出典:厚生労働省『フォークリフト運転技能講習


④スプリット積み

スプリット積みは、形状の異なる荷物をレンガ積みの要領で積み付ける方法です。


▼スプリット積みのイメージ

スプリット積みのイメージ

画像引用元:厚生労働省『フォークリフト運転技能講習


横向きの荷物を積み付ける際に隙間を空けて、各段の方向を180度変えながら積み上げることで、安定性を保つことができるのが特徴です。

ただし、パレットの外側に隙間をつくると支えがなくなり荷崩れしやすくなるため、隙間はパレットの内側につくる必要があります。

主に、段ボールの縦横の長さが異なったり、パレットの形状が限られたりする場合に用いられています。

出典:厚生労働省『フォークリフト運転技能講習



荷崩れを防ぐ作業時のポイント

積み付けの作業を行う際は、パレットから荷物をはみ出る“オーバーハング”を回避することが重要です。パレットから荷物がはみ出ていると、荷重のバランスが崩れて、荷崩れが起こりやすくなります。

そのうえで、荷崩れを防ぐために、積み付けの作業時に以下のポイントを押さえることが大切です。


①重い荷物から積む

重量が異なる荷物を積み付ける際は、重い荷物が下になるように積むことがポイントです。軽い荷物の上に重い荷物を積むと、下の荷物がつぶれてしまい、荷崩れが発生する要因となります。

また、中段に重めの荷物を積んだり、パレットの中心に重い荷物を配列したりすることで、“重し”として崩れにくくする方法もあります。


②ラップやバンドを活用する

運搬時の振動・揺れによる荷崩れを防ぐ方法として、ラップやバンドを活用することもポイントの一つです。

ラップは、“ストレッチフィルム”ともいい、荷物・パレットの包装や荷崩れ防止のために使用される粘着性・伸縮性のある梱包材のことです。サイズや形状の異なる荷物を積み付ける際にラップを巻くことで、荷崩れを防止できます。

また、荷物を結束させるバンド(結束バンド、ベルトなど)も、荷崩れの防止に役立ちます。



まとめ

この記事では、積み付け作業について以下の内容を解説しました。


  • 積み付け作業の4つの種類
  • 荷崩れを防ぐ作業時のポイント


荷物をパレットに積み付けるパターン組には複数の種類があり、荷物の配列や各段における縦横の方向などが異なります。荷物の形状やパレットのサイズに合わせて、バランスを維持できる積み付け方法を選ぶ必要があります。

また、荷崩れを防ぐには、積み付けの作業時にパレットから荷物がはみ出ないように積み上げるとともに、重い荷物から順に積む、ラップやバンドで固定することがポイントです。

なお、積み付け作業時の負荷軽減や効率化を図るためには、荷物の吊り上げ、運搬作業を省力化できる機器を導入することも有効です。

ジェイエスキューブのバキュームリフトは、あらゆる形状の重量物の移載や搬送を軽作業化・省力化する機器です。積み付け作業の効率化や、負荷軽減に役立ちます。

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