(後編)【Zoomでスタート!】“IT憎し”の古参社員にオンライン営業してもらうには?

営業部のベテランや管理職たちのなかには、営業活動のオンライン化をすんなりと受け入れられないでいる人たちが一定数存在しています。

彼らの心情は理解できるものの、訪問営業できず商品が売れない危機的状況においては一刻も早く移行を推し進めたいところ。説得を任された社内情報システム担当者の声に、素直に耳を傾けてくれればいいのですが…。


目次[非表示]

  1. 1.一般論では行動を変えられない
    1. 1.1.「営業活動が段違いにラクになった」
    2. 1.2.「招待するのも意外に簡単」
    3. 1.3.「先方担当者との関係性が深まった」
    4. 1.4.「大人数でもスケジュールを合わせやすい」
    5. 1.5.「初対面の相手でも情報が事前入手できる」
    6. 1.6.「会話内容を後から確認できる」
    7. 1.7.「クライアントにありがたがられた」
  2. 2.誰でも最初は初心者だ、という忘れがちな事実


一般論では行動を変えられない

営業活動をオンライン化することに異を唱える社員の背後には、その豊富な経験の代償として陥った心理状態が潜んでいることは前編で述べました。同じ企業に属しともに働く彼らは決して敵対すべき相手ではなく、それゆえ考え方や行動を変えてもらうのにことさら特別な方法は必要ないことも。

今回の後編では、彼らが抱える心理状態 ──「先入観」と「恐れ」── ごとに対処法を見ていきましょう。


まず、「オンラインは訪問の劣化コピーだ」という先入観で凝り固まった営業社員への接し方について。
オンラインには訪問にない特有のメリットがあることを知らせる必要がありますが、その際あくまでもリアルなライブ感をもって伝えることが重要です。

彼らはマイナスの情報ばかりに関心を持つ傾向(心理学ではネガティビティ・バイアスと呼ぶそうです)にあり疑いの眼差しでものごとを眺めるため「営業活動効率化」や「全世界商圏拡大」などといったもっともらしい謳い文句にはうなずいてくれません

あなたの身にも覚えがありませんか? 

怪しげな商品を褒めちぎる宣伝コピー、そのすべてをうさん臭く感じたことが。そして湧き上がった疑念を検証するために口コミを読み漁った経験が。実際使った人しか気づけないような的確なコメントが評価欄に散りばめられていたりすると、その商品のリアルが浮き彫りになるかのようです。

一般的なメリットを羅列するより、口コミとして伝える。オンライン営業にもう挑戦している企業の声や実例に、耳を傾ける。これを意識してみましょう。



そこで、昨年からZoom営業を本格化させたわがジェイエスキューブの営業スタッフたちからも、その感想を募ってみました。なかでもとくに印象的だった意見をピックアップしたので、ぜひ先入観打破の処方箋として参考になさってください。


「営業活動が段違いにラクになった」

遠方出張を当たり前のようにこなしてたスタッフは、今さらながら長距離移動が心身にかける負担に気づいたそうです。もう訪問営業には戻れないかも…、と以前とは真逆の心境を持つに至ったとのこと。ちなみに、出張費用の激減ぶりにも驚いたそう。

「招待するのも意外に簡単」

そりゃ招待される側は簡単だろうけど…、と勘ぐっていた営業社員の感想です。スマホやタブレットでも通信は安定しているから、相手方の環境を選ばないのもポイント。資料を画面に映すのもアッサリできてしまったと、やらず嫌いだった自分を反省中。

「先方担当者との関係性が深まった」

顧客とのコミュニケーションにおいても、オンラインの方が有利だと答える社員も。訪問に比べ短時間で済むため、意識的に顧客との接触頻度を上げリレーションシップを深めているとか。また、お互い自宅からの会話となった場合などは、プライベートな話題も自然と引き出すことができ、以前より良好な関係性を構築できているそうです。

「大人数でもスケジュールを合わせやすい」

訪問では参加者が増えれば増えるほどスケジュール調整が煩雑になっていきますが、拘束時間が短く済むオンラインでは比較的容易。また、商品開発社員に10分だけ参加をお願いするなど、他部署に協力を仰ぐ際のハードルも低くなったそう。

「初対面の相手でも情報が事前入手できる」

事前に招待メール等のやりとりが発生するため、メールアドレスはもちろん、先方の所属や肩書、仕事内容などの基本的な情報を入手できる確率が高いそうです。それらの情報はプレゼンや営業トークをより“刺さる”ものにするのに不可欠だとか。

「会話内容を後から確認できる」

記憶やメモのみに頼っていると、いつか「言った言わない問題」にぶつかることも。Zoomなら別のキャプチャーソフトを利用することなく、単体で録画が可能です。幸い、まだこの目的で映像を見直したことはないそうですが、営業トークの自己分析ができるという意外な発見が。

「クライアントにありがたがられた」

メリットがあるのは営業をかける側ばかりではありません。応接室や会議室が十分でないクライアントにとっては、部屋の予約やお茶の準備に汲々とせずにすむZoom営業は大歓迎。わざわざ社外の喫茶店まで出向く必要がなくなった、と感謝されたケースもあるようです。




誰でも最初は初心者だ、という忘れがちな事実

次は、失敗を恐れるあまりオンライン化への挑戦から遠のく社員の取り扱いについてです。

前編で述べたように、「ヘタに動いて失態を演じるぐらいなら変化しないことを選ぶ」という負の思考回路が働いているため、

 「いまどきオンライン素人ですか?」
 「地蔵じゃないんですから少しは発言しないと」
 「慣れないと生き残れませんよ」

どと責めるような煽りが逆効果は言うまでもありません(もっとも、こんな口調でベテランを戒められる社内風土ならオンライン化はすでに完了しているかもしれませんね)。

ただ、分かってはいても非協力的な姿勢や、ソフトの誤操作、オンラインマナーの欠如を目の当たりにすれば、テレワーク完全対応済みの情シス担当としてはやるせない限り。


そんなときは、ぜひ若かりし頃の記憶を呼び起こしてみてください。
思えばあなたも社会人デビューしたての頃、電話を使ったコミュニケーションに苦手意識を持ってはいませんでしたか?ひょっとして今現在も?
 ──いいや最初から得意だった! という方は苦手としていた別の業務に置き換えてください── 

受けたり掛けたりするたびに言葉づかいや取り次ぎ方について先輩からこっぴどく叱られたりすると、プレッシャーが高まりますます電話から逃げたくなる…。



オンラインツールにしても同様です。

いったん慣れてしまえばそこまで難しいものではないのですが、ある程度の自信がつくまでは近寄りがたいもの。仏の顔と慈悲の心で温かく見守りながら、とにもかくにも場数を踏んでもらうようにお願いしてみましょう。

相手との関係が許せば、略式で簡単な商談ロールプレイングを行うもオススメです。もともと抜群の対人スキルを持つベテラン営業ですから、ツールに慣れさえすればすぐに頼もしさを発揮してくれるではないでしょうか。


オンライン営業への理解の求め方について前編・後編に渡ってお伝えしてきましたが、そもそも日本企業、とりわけ中小働き方改革・DXは始まったばかり。どの会社も変革に乗り遅れまいとする険しい道のりの途上で、内部には大なり小なり問題点を抱えているはずです。

かくいうわがジェイエスキューブも、オンライン営業の開始直後は試行錯誤の連続でした。そして失敗を繰り返し分かったのは、最初から完璧を目指さず、やれることから着実に実行すべきということ。「アレもまだ」「コレもまだ」とできていない点にばかり目を向け糾弾するより、できたことを足場にしながら前進するほうが遥かに生産的です。

その点、普及度・機能性・使いやすさに優れているZoomは、その足場となる可能性を十分に秘めています。先日の記事でも、Zoomを使って「オンライン会議デビュー」に成功した当社社員のケースを紹介していますので、ぜひご一読を。僭越ながらオンライン営業に先んじて取り組んだ先輩企業として、自信を持ってオススメできる第一選択ツール、それがZoomなのです。
中小企業であるからこそ欲しいきめ細かなサポートも、豊富な導入実績も。オンライン営業にお悩みの情報システム担当の方、ぜひ当社にご相談ください。