「ペーパーレスはなんのため?」働き方改革責任者が語るDXの第一歩!(メリットと実現方法)
この記事をご覧の皆さんは、きっと職場の「ペーパーレス化」に興味をお持ちですよね。私たち株式会社ジェイエスキューブは2020年度にペーパーレス化を実施し、本社にて段ボール100箱分相当の紙の削減に成功しました。
そこで今号では、その指揮をとった働き方改革責任者のMさんがペーパーレス化のメリットや実施の仕方について語ります。それではどうぞ!
目次[非表示]
- 1.その家賃は本当に必要?(ペーパーレス化のメリット)
- 2.社員の意識変化から始まる仕組みづくり
- 3.ペーパーレス化の実現方法
- 3.1.1.現状把握
- 3.2.2.分類
- 3.3.3.実行
- 3.4.4.削減効果の測定と分析・見える化
その家賃は本当に必要?(ペーパーレス化のメリット)
デジタル庁が2021年9月に設置される予定もあり、ニュースにも頻繁に取り上げられているDX(デジタルトランスフォーメーション)。皆さんも、業務にデジタルツールを取り入れてDXを推進したいとお考えのことと思いますが、ここでも「ペーパーレス化」は重要な要素となります。
「ペーパーレス化」とは、紙の書類を減らしてデジタルデータ化し、パソコンなどの端末経由で利用できる取り組みのことを指します。つまり、紙を出さない仕組みづくりと言えるでしょう。
では、紙の量を減らして最初に期待できることとは何でしょうか。
✔保管場所の削減
✔印刷や廃棄にかかるコストの削減
特に大きいのは「保管場所」の問題。ペーパーレス化をしていないオフィスにはたっぷりの書類があることが多いです。つまり“紙の保管に家賃を払っている”ような状態です。
近年のコロナ禍ではリモートワークをする人が増え、本社やオフィスを移転・縮小するような動きも出てきました。働く人があまり会社に出社しなくなれば広いオフィスも不要ですよね。なのに、重要な書類を保管するために高い家賃を払い続けたり、書類を手にするために出社する…。本末転倒だと思いませんか。
また、紙の管理にはファイリングが必要ですし、保管するキャビネットも欠かせません。印刷費もバカにならず、書類を廃棄するにもお金がかかります。これは止めない限り延々と続き、悪循環に陥りがち…。そう、文書を保管するだけで、人・物・金が必要になっているのです。
そもそも、オフィスの役割とは何でしょう。働く人がコミュニケーションを活性化し、創造的な仕事を行うためにある場所です。それなのに、紙がオフィスを侵食しているのは言語道断です。
当社はペーパーレス化を実行し、100箱近くの紙を廃棄することで、とても“身軽”になりました。
社員が必要な時に『集まる場』としてオフィスをリメイクしたデメリットは無いと実感しています。
社員の意識変化から始まる仕組みづくり
「ペーパーレス化」の始めに必要なことは現状の把握と情報の分類です。と言うと、大量の紙を前にして嫌になる…というような想像をされる方もいらっしゃるかもしれません。
自身が作成した資料には愛着があるものですし、いつか必要な時のために…と残しておきたい気持ちが芽生えるもの。ですので、例えば「6カ月間見ていない資料は、この先も見ないから処分する」などのルールを決めて一刀両断するのはどうでしょう。
その先には“身軽”なオフィスが待っている!と思うとちょっとワクワクしませんか?
ペーパーレス化を実施してみると、他のメリットも出てくるでしょう。それは、社員の意識の変化です。例えば当社はペーパーレス化を実行することで、営業部隊が自ら管理帳票をスキャンしてデジタルデータ化するようになりました。紙に囲まれた毎日から解放されて身軽になった社員たちは、本当に必要なものだけを紙で残すようになったのです。家でも、大掃除をした後は部屋を美しく保つようになるのと同じですね。
それから、リモートワークをしている社員は、打合せなどのために資料を出力していたのを極力止めるようになったとも聞いています。人は環境に慣れていくのです。
また、書類を電子化して管理することで、特定の人だけが情報を持っているという状況を防げますし、いつでもどこでもパソコンなどの端末上で資料を確認できるようになります。
ということで、以下にペーパーレス化のメリットを追加しておきます。
✔現状を把握し、情報分類を実現
✔社員の(紙に頼らない)意識の変化
✔情報の属人化を防ぐ
✔場所を選ばずに書類を取り出せる
ペーパーレス化の実現方法
以下に、ペーパーレス化の手順を簡単に挙げてみます。
1.現状把握
各組織が紙文書をどれくらい保管しているかを測定します。
測定対象はキャビネットに保管している文書だけでなく、「個人で保管している文書」と「組織として保管している文書」の全体です。
調査単位は、課・部・本部などの単位にした方が、後から組織での管理などを検討する場合に便利です。
2.分類
以下3種類に分類します。
①時々閲覧することがあるもの
②日々の業務で見る機会がないもの(暫く保管は必要)
③廃棄するもの(不要なもの)
保存すべき文書は【法定保存年限があるもの】【日頃から閲覧するもの】【裁判などの係争対応のもの】【利害関係者への説明責任に使用されるもの】【歴史的価値があるもの】【ブランド的価値があるもの】【ナレッジとして必要なもの】など。それ以外の文書は不要と考えてもよいでしょう。
ただし、捨てるべきか、残すべきか迷うこともあるでしょう。その場合は下図に示す4つのパターンで判断すると整理しやすいです。
3.実行
①時々閲覧することがあるもの:
スキャンして電子化し、ファイルサーバー等にPDF化して保管
②日々の業務で見る機会がないような文書:
安価な外部倉庫などに預ければコストが削減でき、オフィスが有効活用できる
③廃棄するもの:
シュレッダーや廃棄ボックスで処理
実行の際は、キャビネットやエリア毎に担当を付けて責任を持って取り組むことが重要です。
また、日時を決めて定期的に行うことで無理せず確実に前に進めます。
4.削減効果の測定と分析・見える化
最後に、削減がどれくらい行われたかを把握し、分析・見える化をします。
どの位の文書がオフィスから削減されたかを集計・分析し、社内で共有するまでが紙文書削減の実行では重要で、これが社員の達成感やモチベーションにつながるからです。
例えば、「東京タワー並みの高さ分を削減できた」などと建物と比較することも有効です。ペーパーレス化を推進する側としては削減率で測ってしまいがちですが、削減量を見える化する方が、無駄を無くす意識を醸成できると感じています。
皆さんもぜひ「ペーパーレス化」を実行し、DXへの足掛かりにしていただければと思います。
私たちは、紙の電子化・ペーパーレス化をお手伝いするソリューションを提供して50年になります。お客様の個別業務に特化した機器提供を行う一方で、企業の日々発生する事務所内のペーパーレス化には言及してこなかったことから、今回の取り組みを始まりとして、今の中小企業のお客様が抱えている日々の業務プロセス改善にお役立てできるノウハウをご提供いたします。
より詳しいお話をお聞きになりたい方は、こちらまでお気軽にご連絡ください。
ご参考に、同じ働き方改革の担当者が取り組んだリモートワークの推進に関する記事当社の働き方改革担当が語る「リモートワーク推進術」もご覧ください。
【ジェイエスキューブ社員ファイルVol.5】
Mさん(50代男性)
所属部署:業務改革ユニット長(働き方改革プロジェクト責任者)
趣味:少年野球連盟の役員を初めとした、地域に根差したボランティア活動
最近の関心事:なかなか懐かない飼い猫に懐きにいくこと