省力化機械とは? 代表的な3つの機械と物流倉庫での導入メリット
物流倉庫では、手作業での積込み・積降ろしが行われているケースも多く、身体的な負荷がかかりやすいといった課題があります。また、人力での荷役・運搬作業は、作業時間を要するだけでなく、腰痛や転倒事故などの労働災害につながるリスクも挙げられます。
このようなリスクを防ぐには、省力化機械を活用して、身体に負荷のかかる荷役・運搬作業を省力化することが重要です。
作業員が安全に働ける労働環境をつくるために、現場作業の省力化を進めている担当者の方も多いのではないでしょうか。
本記事では省力化機械とは何か、代表的な機械と物流倉庫で導入する場合のメリットについて解説します。
出典:国土交通省『「ホワイト物流」推進運動のご案内と参加のお願い』/厚生労働省『職場における腰痛予防対策指針及び解説』/厚生労働省 千葉労働局『倉庫・物流センター関連の事業者・労働者の皆さん 労働災害が多発しています!』
目次[非表示]
- 1.省力化機械とは
- 2.代表的な省力化機械3選
- 2.1.①アシストスーツ
- 2.2.②無人搬送車(AGV)
- 2.3.③アシストカート(台車)
- 3.省力化機械の導入メリット
- 3.1.①女性や高齢者が働きやすくなる
- 3.2.②現場の安全性が向上する
- 3.3.③生産性が向上する
- 4.まとめ
省力化機械とは
省力化機械とは、人が行ってきた作業の全部、または一部を代わりに行う機械のことです。物流倉庫での業務において、人力で行ってきた荷役・運搬作業を自動化したり、機械化または補助したりする機械・器具を指します。
物流倉庫では、パレットの積み付け作業や荷物の運搬、トラックへの積込み・積降ろしなどの作業が人力で行われているケースも少なくありません。このような作業は、身体への負担がかかるほか、重量物の取り扱いは腰痛につながるおそれもあります。
また、重量物を反復して持ち上げたり、持ち上げる動作を誤ったりすると、腰への負担が大きくなる可能性もあります。これらの負担を軽減するために、省力化機械を用いて、荷役・運搬作業の自動化・省力化を図ることが重要です。
出典:国土交通省『「ホワイト物流」推進運動のご案内と参加のお願い』/厚生労働省『職場における腰痛予防対策指針及び解説』
代表的な省力化機械3選
物流倉庫での荷役・運搬作業の負担を軽減する省力化機械には、以下の3つが挙げられます。
①アシストスーツ
アシストスーツとは、モーターによるアシストや人工筋肉などの収縮力によって、荷重分散を行うウェアラブルロボットです。パワードスーツやパワーアシストスーツと呼ばれることもあります。
たとえば、20kgのコンテナを持ち上げる際に装着することで、10~30%の力を補助してくれます。
ジェイエスキューブでは、株式会社イノフィスのマッスルスーツ(※)を取り扱っております。中腰姿勢時の負担を軽減できるほか、軽量で歩きやすいため、荷物の持ち運びが多い物流現場にも役立ちます。
マッスルスーツの使い方や詳しい導入メリットについては、こちらの記事をご確認ください。
※マッスルスーツは株式会社イノフィスの登録商標です。
出典:農林水産省『アシストスーツ』
②無人搬送車(AGV)
無人搬送車とは、人が操作をすることなく自動で荷物を運搬するロボットです。
倉庫・物流センターの床面に磁気テープや磁気マーカーを敷設することで、台車がそのルートに沿って所定の場所まで移動する仕組みとなっています。
これまで手作業で行ってきた運搬作業を自動化できるため、身体の負担軽減や生産性の向上につながります。
なお、荷物を運搬するロボットには、さまざまな種類があります。
無人搬送車(AGV)については、こちらの記事で詳しく解説しています。
そのほかの荷物運搬ロボットについては、こちらをご確認ください。
出典:国土交通省『物流・配送会社のための 物流DX導入事例集 ~中小物流事業者の自動化・機械化やデジタル化の推進に向けて~』
③アシストカート(台車)
アシストカートとは、台車のハンドルを押したり引いたりする際に 電動モーターによって加減速をアシストする搬送機械のことです。
重量物を台車に乗せて少ない力で動かせるため、運搬作業による身体への負荷を軽減できます。
省力化機械の導入メリット
省力化機械を物流倉庫に導入することで、以下のメリットが期待できます。
①女性や高齢者が働きやすくなる
省力化機械を導入するメリットとして、女性や高齢者も働きやすい職場環境をつくれることが挙げられます。
人力での荷物の運搬、積込み・積降ろしは、腰や呼吸・循環器系の負担がかかり、女性や高齢者にとって重労働となるケースがあります。
省力化機械を導入し、荷役・運搬作業による負荷を軽減することで、年齢や性別にかかわらず、幅広い人材が活躍できるようになります。身体への負荷が少なく働きやすい職場は、物流業界での人材確保を促進させることにもつながります。
物流業界における女性活躍に必要な取組みについては、こちらの記事で解説しています。併せてご確認ください。
出典:国土交通省『「ホワイト物流」推進運動のご案内と参加のお願い』/厚生労働省『職場における腰痛予防対策指針及び解説』
②現場の安全性が向上する
物流倉庫における現場作業の安全性が向上することも、省力化機械を導入するメリットの一つです。
物流センターや倉庫で発生した労働災害のうち、転倒・無理な反動や動作による事故が多く見られています。なかでも転倒事故については、人力での運搬最中に発生したものが多く、荷物の持ち上げや運搬作業によって、腰痛が繰り返し発生しているケースも見られます。
省力化機械を導入して、人力での荷役・運搬作業を自動化、または一部を機械化することで、腰痛・事故が発生するリスクを低減できます。
このように、倉庫内作業を原因とする労働災害を防止して、安心・安全に働ける環境をつくることは、定着率の向上にもつながると期待できます。
出典:厚生労働省『職場における腰痛予防対策指針及び解説』/厚生労働省 千葉労働局『倉庫・物流センター関連の事業者・労働者の皆さん 労働災害が多発しています!』
③生産性が向上する
省力化機械の導入によって、物流倉庫における作業の生産性が向上することもメリットといえます。
人力で荷役・運搬作業を行う場合、時間とともに筋力が低下して、作業スピードの低下につながりやすくなります。
導入により、身体への負荷を押さえつつ、効率的な作業が行えるようになるため、作業時間を短縮でき、生産性の向上につながります。
出典:厚生労働省『職場における腰痛予防対策指針及び解説』/国土交通省『「ホワイト物流」推進運動のご案内と参加のお願い』『物流・配送会社のための 物流DX導入事例集 ~中小物流事業者の自動化・機械化やデジタル化の推進に向けて~』
まとめ
この記事では、省力化機械について以下の項目で解説しました。
- 省力化機械とは
- おすすめの省力化機械
- 物流倉庫における導入メリット
物流倉庫に省力化機械を導入することで、人力での荷役・運搬作業による身体への負荷を軽減できるようになります。これにより、女性や高齢者が働きやすい労働環境をつくれるほか、安全性・生産性の向上などのメリットが期待できます。
安心・安全に働ける職場づくりや、従業員の健康管理の強化に向けて、省力化機械を導入されてはいかがでしょうか。
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